サラリーマン生活も半ばに差し掛かる40歳。人生100年時代を考えても折り返しに近いラインになります。
40歳を超えたあたりから徐々に老後費用について考える方もでてくるのではないでしょうか?
本日は40歳時点で3000万円という資産を構築されている方に向けてお伝えしていきたいと思います。3000万円という資産を既に構築されている方は正直日本人の上位です。
老後2000万円問題が話題になり、その基準を既に超えています。しかし、東京都内で老後生活をする場合、場合によっては2000万円では不十分なことも十分ありえるのです。
本日は40歳時点で3000万円を構築している方に、老後に必要な資産は結局いくらなのか?
安全域まで資産を構築するために、どのように運用していけばよいのか?
という点を中心にお伝えしていきたいと思います。
今回の内容
40歳時点で3000万円の貯金がある貴方は自信をもとう!
以下の総務省の調査でも明らかになっていますが、3000万円以上の資産を構築できている世帯は全体の17.6%となります。更に40歳時点という制約をつけると、ほんの僅かということになります。

参照:総務省
また、有名な漫画「カイジ」でも利根川氏が以下の言葉を述べていますね。
小中学校と塾通いをし、常に成績はクラスのトップクラス。
有名中学有名進学校と受験戦争のコマを進め、一流大学に入る。入って3年もすれば今度は就職戦争。
頭を下げ会社から会社を歩き回り足を棒にしてやっと取る内定・・・やっと入る一流企業・・
これが1つのゴールだがホッとするのも束の間。すぐ気が付く。
レースがまだ終わってないことを・・今度は出世競争。まだまだ自制していかねばならぬ。
ギャンブルにも酒にも女にも溺れず仕事を第一に考えゲスな上司にへつらい取引先にはおべっか。遅れずサボらずミスもせず・・
毎日律儀に定時に会社へ通い残業をし、酷いスケジュールの出張もこなし。時機がくれば単身赴任。夏休みは数日。そんな生活を10年余続けて気がつけばもう若くない。
30台半ば40・・そういう年になってやっと蓄えられる預金残高が1千、2千という金なんだ
カイジ「賭博黙示録」
所謂、日本のお手本のようなエリート街道を歩み続けたとしても3000万円を40歳時点で構築できるかどうかというレベルなのです。
自分一人で3000万円を築かれた方は自信を持って胸を張れるレベルだということです。ただ、それでもまだ老後資産が安泰とは言い切れません。
この点についてお伝えしていきたいと思います。
老後2000万円問題とは?甘い算定を鵜呑みにしないようにしよう。
2019年に世間を賑わせた老後2000万円問題。
老後2000万円を自助努力で用意せよとは財務省の横暴だという世間の声が湧き上がりました。しかし、40歳時点で3000万円を構築している方であれば、本当に老後2000万円で足りるの?
と不安に思われる方も多いと思います。そこで老後2000万円問題の根拠について、まずは確認していきたいと思います。
2000万円の根拠は簡単な式で算出されている
以下は総務省の統計ですが、高齢無職世帯の月間収支です。
年金等の収入が平均で191,880円に対して、支出の合計が263,717円(=28,240円+235,477円)となります。
結果的に不足分は54,519円となります。1年間だと12倍して65.4万円となります。
そして現在60歳の人が95歳まで生きる可能性は2015年時点で25%となています。つまり、4人に1人が95歳まで生きるということですね。
60歳で引退してから30年間生きるとすると、年間65.4万円とかけ合わせると1962万円(=不足65.4万円×30年)という金額になります。
だいたい2000万円が不足するという計算になりますね。
住居費や交際費の甘い算定!
先ほどあえて詳しく突っ込みませんでしたが、もう一度収支をご覧ください。

まず、住居費が5.8%となっています。消費支出の割合から算出すると13,657円となります。持ち家だとすると、都内だと固定資産税だけで超えてしまう金額ですね。仮に65歳以降も賃貸としている場合は月額15万円ほどを見込まないといけません。
更に交際費も11.6%なので消費支出とかけ合わせると27,315円となります。40歳時点で3000万円を構築できている方の老後の交際費が3万円足らずで足りるとは考えにくいですね。追加で5万円ほどは見込みたいところです。
合計で1億円ほどを見込んでおくのが賢明
住宅費と合計で20万円を追加で見込むとすると年間で240万円となります。30年間だと7000万円となるので、最初の2000万円と合計で9000万円が必要となります。
安全圏をとって1億円を目指していくのが理想的だといえるでしょう。
預金や債券投資では3000万円を全く殖やせない
日本人は元本保証投資を選好する性質があります。
預金偏重の姿勢が招いた日本の相対的な貧困化
以下は日銀が発表した日米欧の金融資産の分布ですが、米国の預金比率が13%であるにも関わらず、日本は54%と半分以上を占めています。リスク性資産である株式や投資信託はわずか13%に止まっています。
結果として日本の世帯は米国の世帯に比べて全く資産を膨張させることができませんでした。資産運用をしなかったことによって、日本は米国に比べて相対的に貧しくなってしまっているのです。
債券投資も世界的な金融緩和で無意味になってきている
今まで2%-3%のリターンを安全に手にいれるための選択肢として債券投資が魅力的でした。
日本はご存知の通りゼロ金利政策を長らく続けているので日本国債の金利もゼロパーセント近傍となっています。財務省が販売している個人向け国債は0.05%という金利水準です。
日本はダメでも今までは米国の債券に投資をしていれば2%-3%のリターンを獲得することが可能でした。
しかし、2020年に発生したコロナショックにより米国の中央銀行も大規模な金融緩和を行い長期金利でも0%近傍にまで下落しています。
結果として現在取引できる米国債券のリターンは以下の通りとなっています。

国債だと1%未満、社債でも1%近辺となっています。2044年償還の23年国債という超長期債券であれば1.7%の金利がありますが、23年間も資金が拘束されるにも関わらず低いリターンと言わざるを得ません。
年率7%-10%を安全に狙っていこう!
では具体的に安全圏の1億円を構築するのであれば、どうすればよいでしょうか?
7%-10%で運用を行えば十分1億円に到達可能
投資といっても派手な利回りは全く必要ありません。7%-10%の利回りを追求することができれば、7%でも60歳時点で1億円、10%であれば60歳時点で2億円を構築することが可能となります。

7%運用 | 10%運用 | |
40歳 | 3,000 | 3,000 |
41歳 | 3,210 | 3,300 |
42歳 | 3,435 | 3,630 |
43歳 | 3,675 | 3,993 |
44歳 | 3,932 | 4,392 |
45歳 | 4,208 | 4,832 |
46歳 | 4,502 | 5,315 |
47歳 | 4,817 | 5,846 |
48歳 | 5,155 | 6,431 |
49歳 | 5,515 | 7,074 |
50歳 | 5,901 | 7,781 |
51歳 | 6,315 | 8,559 |
52歳 | 6,757 | 9,415 |
53歳 | 7,230 | 10,357 |
54歳 | 7,736 | 11,392 |
55歳 | 8,277 | 12,532 |
56歳 | 8,856 | 13,785 |
57歳 | 9,476 | 15,163 |
58歳 | 10,140 | 16,680 |
59歳 | 10,850 | 18,348 |
60歳 | 11,609 | 20,182 |
流行のインデックス投資の問題点とは?
7%のリターンを追求するのであれば、インデックスで十分であるという声も聞かれます。しかし、インデックスは残念ながら右肩あがりに上昇していくわけではありません。
以下は代表的な株式インデックスである米国のS&P500指数の年毎のリターンです。
リーマンショックは記憶に新しいですが、時折大きなマイナスを出す時もありますし殆どリターンが出ない場合もあります。
40歳から60歳までの20年という期間だと年率リターンが1%-2%で終わってしまうことも十分にあることが、過去のデータからもわかっています。
以下は過去100年のデータを元に、ある年にS&P500指数に投資をした場合の20年間のリターンとなります。

貴方が投資をするタイミングが、必ずしもタイミングが良い時節であるとはかぎらないのです。
価格のブレ幅の大きさのことを投資のリスク(=標準偏差)といいます。老後の安定資産を構築するためであれば、できる限りリスクが低い資産に投資を行う必要があるのです。

ローリスクミドルリターンで1億円を築く投資先とは?
毎年できる限り一定で上昇しつづける資産に投資をして安全に1億円を形成したいですよね?
下記の資産Bではなく資産Aに投資をしたいというのは、特にリスクに対する不安が大きい日本人からすると理解しやすい感覚ですね。

資産Aのような動きをしながら、インデックスを上回る成績を挙げている資産としてヘッジファンドがあります。ヘッジファンドは如何なる市況環境でも収益を狙うことを目標とする絶対収益型のファンドです。
実際、以下のチャートで示されている通りヘッジファンドは世界株指数やS&P500指数を大幅に上回っています。更に価格のブレ幅も小さくリスクは小さくなっているのも特徴です。

ヘッジファンドといえば欧米特有のものと思われがちですが、近年は日本でも魅力的なヘッジファンドが登場してきています。
実際、筆者も2013年からヘッジファンドに投資を行い2021年まで一度も資産価格を下落させることなく年率10%以上のリターンを享受してきています。
以下で筆者が投資しているファンドについては詳しくお伝えしていますので参考にしていただければと思います。

まとめ
今回のポイントをまとめると以下となります。
- 40歳時点で3000万円の資産構築は胸を張って良いレベル
- 老後2000万円問題の算定は甘い
- 老後に向けて1億円の資産は構築しておきたい
- 年率7%-10%の地味なリターンの積み重ねで十分
- インデックス投資はタイミングが悪いと数%のリターンに留まる
- リスク低く安定したリターンを追求するのであればヘッジファンドが魅力的
それでは!